专利摘要:
金属部品をセラミック材に機械的に結合する方法であって、上記金属部品の一表面の少なくとも第1部分に固着されたアンカー材を備えた金属部品を提供し、第1表面および第2表面を有するセラミック材を提供し、この場合、上記セラミック材は、上記第1表面から上記第2表面まで延びる少なくとも一つのコンジットを画成し、この少なくとも一つのコンジットは、上記第1表面によって画成された第1開口端と、上記第2表面によって画成された第2開口端と、連続する側壁と、断面積とを有しており、上記少なくとも一つのコンジットの第1および/または第2開口端の少なくとも一方における少なくとも一部分が上記アンカー材の少なくとも一部分上に重なり合う位置関係を有するように、上記セラミック材を位置決めし、かつ上記少なくとも一つのコンジットの少なくとも一部分内へ結合剤を施すことを含む。
公开号:JP2011505317A
申请号:JP2010535956
申请日:2008-11-19
公开日:2011-02-24
发明作者:ディー ズィーゲンハゲン,ランディー;エム ラインマン,デイヴィッド;ワン,ウェンチャオ
申请人:コーニング インコーポレイテッド;
IPC主号:C04B37-02
专利说明:

[0001] 本願は、2007年11月29日付けで提出された米国仮特許出願第61/004,648号の優先権を主張した出願である。この文書の内容、ならびにそこに記載されている文献、特許および特許文書の開示内容の全てがここに引用される。]
技術分野

[0002] 本発明は耐熱性セラミックに関し、特に、ガラス形成および/または配送システムに用いるための耐熱性セラミックに関するものである。]
背景技術

[0003] フュージョン法は、シートガラスの製造に用いられる基本的な技法の一つであり、例えばフロート法およびスロット・ドロー法等の他の方法で生産されるシートガラスに比較して、卓越した平坦性および平滑性を備えた表面を有するシートガラスを生産することができる。そのため、このフュージョン法は、液晶表示装置(LCD)等の発光表示装置の製造に用いられるガラス基板の生産に用いるのに効果的であることが判明している。]
[0004] フュージョン法、特にオーバーフロー・ダウンドロー・フュージョン法においては、アイソパイプとして知られている耐熱性体内に形成された収集トラフへ溶融ガラスを提供するガラス供給パイプを備えている。オーバーフロー・ダウンドロー・フュージョン工程においては、溶融ガラスが上記供給パイプを通過して上記トラフ内へ入り、次いでこのトラフの両側縁の頂部をオーバーフローして、上記アイソパイプの両外側面に沿って下方へ、次いで内方へ流れ降る2条のシートを形成する。]
[0005] ガラス形成および/または配送システムの溶融ガラスと接触する表面は、一般に白金等の貴金属で構成される。上記ガラス供給パイプおよび他の構成要素の安定性は、材料および構築技術によって左右される。1000℃以上の動作温度に曝された場合に、従来の材料は、サグ、クリープおよび/または変形が生じ易く、システムおよび/または構成要素が故障する結果を招く。]
発明が解決しようとする課題

[0006] ガラス形成および/または配送システムに付随する上述の課題およびその他の欠点に対して、ならびにガラス形成および/または配送システムのための構成要素を製造するための従来の扱い方に対しては対策を施す必要性がある。これらの要求およびその他の要求は、本発明の方法および物品によって満足される。]
課題を解決するための手段

[0007] 本発明は、耐熱性セラミックに関し、特にガラス形成および/または配送システムに用いるための耐熱性セラミックに関するものである。]
[0008] 第1の態様において、本発明は金属部品をセラミック材に機械的に結合する方法であって、一表面の少なくとも第1部分に固着されたアンカー材を備えた金属部品を提供し、第1表面および第2表面を有するセラミック材を提供し、この場合、上記セラミック材は、上記第1表面から上記第2表面まで延びる少なくとも一つのコンジットを画成し、この少なくとも一つのコンジットは、上記第1表面によって画成された第1開口端と、上記第2表面によって画成された第2開口端と、連続する側壁と、断面積とを有しており、上記少なくとも一つのコンジットの第1および/または第2開口端の少なくとも一方における少なくとも一部分が上記アンカー材の少なくとも一部分上に重なり合う位置関係を有するように、上記セラミック材を位置決めし、かつ上記少なくとも一つのコンジットの少なくとも一部分内へ結合剤を施すことを含む。]
[0009] 第2の態様において、本発明は、上述の方法によって生産された物品を提供する。]
[0010] 第3の態様において、本発明は、金属部品と、この金属部品の少なくとも一部分に固着されたアンカー材と、第1表面および第2表面を有するセラミック材とを備えた物品を提供し、この場合、上記第1表面および第2表面は、上記第1表面から上記第2表面まで延びる少なくとも一つのコンジットを画成し、この少なくとも一つのコンジットは、連続する側壁および断面積を有し、上記セラミック材は、上記金属部品の外表面の少なくとも一部分上に配置され、かつ上記アンカー材の少なくとも一部分上に重なり合う位置関係を有しており、上記少なくとも一つのコンジットの少なくとも一部分に結合剤を備え、かつ上記アンカー材の少なくとも一部分が上記結合剤の少なくとも一部分内にほぼ埋め込まれている。]
[0011] 本発明のさらなる態様および効果は、下記の詳細な説明、図面および請求項に説明されており、その一部は、詳細な説明から導かれ、または本発明の実施によって感得され得るであろう。下記に説明されている効果は、添付の請求項において特に指摘されている要素および組合せによって実現されかつ達成されるであろう。上述の概略的説明および下記の詳細な説明は、例示および説明のためのみのものであって、開示された発明を制限するものではない。]
[0012] 本明細書に組み入れられかつその一部を構成する添付図面は、本発明のいくつかの態様を示し、記述内容とともに、本発明の原理の限定を伴わない説明に資するものである。全図を通じて、同じ符号は同じ要素を示す。]
図面の簡単な説明

[0013] 本発明の種々の態様による、孔だらけのクラムシェル形部品と、継ぎ当て金網が溶接された金属部品との分解状態の概略的斜視図である。
本発明の種々の態様による、孔だらけのクラムシェル形部品と、金属部品との組付け状態の概略的斜視図である。
本発明の種々の態様による、孔だらけのクラムシェル形部品と、継ぎ当て金網およびその溶接部が通して見える複数の鋳込み孔とを示す平面図である。
本発明の種々の態様による、金属部品とクラムシェル形部品とを機械的に結合しているリベット形状のセラミック結合剤を示す断面図である。
本発明の種々の態様による、金属部品の両側に2枚の平らな板がそれぞれ配置された代替的構成を示す概略的分解斜視図である。]
[0014] 本発明は、以下の詳細な説明、図面、実施例、特許請求の範囲、前述および以下の記載を参照すれば容易に理解することができる。しかしながら、本発明の組成物、物品、装置および方法が開示および説明される以前に、本発明は、特に指示がない限り、開示された具体的な組成物、物品、装置および方法に限定されず、当然のことながら、変えることができるものと理解されるべきである。また、本明細書で用いる用語は、特定の態様をあくまでも説明するためのものであって、限定しようとするものではないと理解されるべきである。]
[0015] 本発明の以下の説明は、現在公知の態様において本発明の教示を可能にするものとして提供される。このため、当業者であれば、本発明の有益な結果を得ながら、本明細書に記載されている本発明の様々な態様に対し変更を行なうことができることを認識しかつ理解するであろう。本発明の望ましい利益のいくつかは、他の特徴を利用せずに、本発明の特徴のいくつかを選択することにより得られることも明白である。従って、当業者であれば、本発明の多くの修正および適用が可能であり、特定の状況においてそれが望ましくさえあり、それも本発明の一部であると認識するであろう。それ故に、以下の説明は、本発明の原理の例示として提供されるものであって、本発明を限定するものではない。]
[0016] ここに開示されているのは、用いることができる、組み合わせて用いることができる、調製に用いることができる材料、化合物、組成物および成分であり、または開示された方法および組成物の製品である。これらの材料の組合せ、サブセット、相互作用、グループ等が開示されているときは、それぞれの様々な個々および集合的な組合せおよびこれら化合物の置換の具体的な指示が明白に開示されていなくても、それぞれが具体的に予期され、本明細書に記載されているものと考えられる。したがって、もし置換基A、BおよびCの部類と、置換基D、EおよびFの部類とが開示され、かつ組合せ態様A−Dの例が開示されている場合には、それぞれが個々におよび集合的に予期される。このように、この例では、A、BおよびC、D、EおよびF、ならびにA−Dの例示の組合せの開示から、A−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−EおよびC−Fの組合せのそれぞれが具体的に予期され、かつ開示されていると考えるものとする。同様に、これらのサブセットまたは組合せもまた、具体的に予期されかつ開示されている。従って、例えば、A、BおよびC、D、EおよびF、ならびにA−Dの例示の組合せの開示から、A−E、B−FおよびC−Eのサブグループが具体的に予期され、開示されていると考えるものとする。この概念は、組成物の如何なる成分ならびに開示された組成物を製造および使用する方法における如何なる工程をも含むがこれらに限定されない本開示内容の全ての態様に適用される。したがって、もし実施可能な様々な追加の工程がある場合には、これらの追加の工程のそれぞれが、開示された方法の具体的な態様または態様の組合せで実施することができ、かつこれらの組み合せのそれぞれが、具体的に意図され、開示されているものと考えるべきである。]
[0017] 本明細書および後に続く特許請求の範囲においては、数多くの用語が言及されており、以下の意味を有するものと定義される。]
[0018] 本明細書で用いられる単数形には、文脈上明らかに単数でない限り、複数の対象も含まれる。例えば、「部品」に言及したときには、文脈上明らかに単数でない限り、2つ以上のかかる部品を有する態様が含まれる。]
[0019] 「任意の」または「随意的に」とは、後に続く記載の事象または状況が生じ得る、または生じ得ないこと、そして、その記載には、事象または状況が生じた場合と生じなかった場合が含まれることを意味する。例えば、「任意に置き換えられる部品」とは、置き換えが可能な。または不可能な部品を意味し、かつこの記載は、置き換えられなかった本発明の態様および置き換えられた本発明の態様の双方を含むことを意味する。]
[0020] 範囲は、「約」ある特定の値から、および/または「約」他の特定の値までとして表わすことができる。かかる範囲を表わすとき、他の態様には、ある特定の値から、および/または他の特定の値まで含まれる。同様に、値が、頭に「約」をつけて、近似で表わされるときも、特定の値が他の態様を形成するものと考えられる。さらに、範囲の各端点は、他方の端点に関連するのと、他方の端点からは独立の両方について意味があるものと考えられる。]
[0021] 本明細書で用いる、成分の「重量%」は、特に説明がない限り、パーセンテージで表わされる成分が含まれる組成物の総重量に対する成分の重量比を指す。]
[0022] 上述に簡単に紹介されているように、かつ図面を参照すると、本発明は、例えばガラス形成システムの配送パイプ等における、金属部品とセラミック材との機械的結合方法を提供するものである。下記に図面を参照して詳細に説明されている種々の態様の中で、本発明の方法は、金属部品20、セラミック材50、および金属部品20とセラミック材50との間に器械的に強力な結合部を提供するための例えば金網34または複数の金属粒子等のアンカー材の使用を含む。]
[0023] 本発明の方法は、特定の用途に限定されるものではないが、ガラス形成および/または配送システムにおける部品のサグを軽減および/または排除するのに用いることができる。ガラス形成および/または配送システムに用いられる旧来の材料は、動作温度における機械的強度が、一般的にその部品自体の重量を支えるには不十分なために、使用中に実質的にサグを生じる恐れがある。本発明は、セラミック材を金属部品に結合する機能を有するアンカー材を採用することによって、ガラス形成および/または配送システムの強度および耐久性を改善する方法を提供するものである。]
[0024] 本発明は、セラミック材を金属に機械的に結合する新規な方法を提供する。本発明は、アンカー材を金属部品に固着し、次いでこの金属部品上またはその周囲にセラミック材を固着する方法を提供する。このセラミック材は、このセラミック材に形成された1個またはそれ以上の孔すなわちコンジットの内部に結合剤を配置することにより、上記金属部品に固着することができ、その場合、上記結合剤の少なくとも一部が、金属部品上のアンカー材に機械的に結合されることになる。上記セラミック材は金属部品を支持し、これにより、上記金属部品の寿命を延ばし、かつより薄い金属部品の使用を可能にする。ガラス形成システムのように上記金属部品が貴金属からなる用途においては、より薄い金属部品を使用することは、かなりのコスト節減を達成することができる。]
[0025] セラミック材
本発明のセラミック材は、金属部品に結合するのに適したものであれば、何れの材料であってもよい。このセラミック材は、例えば、ZrO2,SiO2,CaO,MgO,Al2O3およびその他の耐熱性酸化物、ならびにこれらの組合せ等の耐熱性酸化物を含ませることができる。このセラミック材は、組成、粒子径、および相の異なる個々のまたは種々のセラミック材を含ませることができる。また、このセラミック材は、添加物および/または焼成助剤を含ませることができる。一つの態様において、上記セラミック材は、旧来のガラス形成および/または配送システムと相性が良い。種々の態様において、上記ガラス形成および/または配送システムにおいては一般的な、例えば約1400,1450,1500,1600,1650または1700℃以上の温度に耐えることができる。セラミック材は市販されており、当業者であれば、特定の物品および/または用途に用いるのに適したセラミック材を容易に選択することが可能であろう。一つの態様において、上記セラミック材は、米国コネチカット州エンフィールド所在のEmhartガラス製造会社が販売している高密度、高純度アルミナまたはジルコニア等のアルミナおよび/またはジルコニア材料を含む。]
[0026] 本発明のセラミック材は、単一ピースまたはマルチピースからなる同一のまたは異なる個々のセラミック材を含むものとすることができる。もしマルチピースが用いられる場合には、個々の各ピースは、他のピースと互いに隣接して配置され、あるいは一部または全体が他のピースに重なって、例えば多層シェル構造を形成するように配置される。]
[0027] 一つの態様において、上記セラミック材は、意図される用途の動作温度において、変形および/またはサグに耐える十分な材料強度を有する。例えば、ガラス配送システムに用いられるセラミック材は、クリープまたはサグを生じることなしに約1400℃以上の温度に耐えるのに適した強度を持たなければならない。]
[0028] 上記セラミック材は、意図される用途に適していれば如何なる形態および/または形状で提供されてもよい。一つの態様において、セラミック材は平らな板等のシート物品である。このような板の1枚または複数枚が金属部品の一面または両面に固着されて、例えば構造的支持体を提供する。一つの態様において、セラミック材からなる1枚の板が上記金属部品の一方の表面上に配置されかつ固着される。別の態様においては、2枚以上の板が上記金属部品の種々の表面上に配置されかつ固着される。2枚以上のセラミック材の板等のピースが、同じ形状および/または組成を有することは必ずしも必要ではなく、同じおよび異なる形状および/または組成を有する双方の態様が、本発明の一部として含まれることが意図される。具体的な実施例において、上記金属部品が可撓性を有するチューブであり、この可撓性を有する金属チューブの両面に、2枚のセラミック板が配置されかつ固着される。]
[0029] 別の態様においては、上記セラミック材は、例えば単一ピースまたは複数ピースのセラミック材の内側形状が、それらが固着される金属部品の外側形状の輪郭に一致するように、所定の形状に形成された単一ピースまたは複数ピースのセラミック材である。一つの具体的な態様において、セラミック材は、図1、図2、図3および図5に示されているように、可撓性を有する金属チューブの周りでクラムシェルを形成する単一ピースまたは複数ピースを含む。このような具体的な態様においては、セラミック材の個々のピースがクラムシェル構造の上部半体または下部半体を形成することができる。このような態様においては、個々のピースのそれぞれが例えば約6インチ(15.2cm)から約36インチ(91.4cm)までの種々の長さを有することができる。一つの具体的な態様においては、個々のピースのそれぞれが例えば約12インチ(30.5cm)の長さを有する。] 図1 図2 図3 図5
[0030] セラミック材の厚さは、意図される用途に適していれば如何なる厚さを有するものであってもよく、例えばこの材料が曝される温度、クリープ強度、および形状、ならびに種々の態様における材料の幾何学的構造等のファクタに応じて変えることができる。セラミック材の厚さは、約0.25インチ(6.4mm)から約4インチ(101.6mm)の範囲内、例えば、0.25,0.35,0.4,0.5,0.55,0.6,0.75,0.8,0.9,0.95,1,1.25,1.5,2,2.5,3,3.5または4インチ(6.4,8.9,10.2,12.7,14.0,15.2,19.1,20.3,22.9,24.1,25.4,31.8,38.1,50.8,63.5,76.2,88.9または101.6mm)である。一つの具体的な態様においては、セラミック材の厚さが約0.5インチ(12.7mm)である。別の態様においては、セラミック材の厚さが約0.25インチ(6.4mm)未満または4インチ(101.6mm)を超えるが、本発明は何れかの特定の厚さには限定されない。]
[0031] 本発明のセラミック材50、またはその個々のピースの何れかは、その第1面から第2面にまで延びる1個または複数の孔52を有することができる。このような孔は、セラミック材によって画成されたコンジット52として説明することができ、各コンジットまたは複数のコンジットは、セラミック材の第1面によって画成された第1開口端およびセラミック材の第2面によって画成された第2開口端を有する。各コンジットまたは複数のコンジットは、連続的な側壁および断面積を有する。2個以上のコンジットは、それらが存在する場合、サイズ、形状、輪郭および/または断面積が同じであっても異なっていてもよい。]
[0032] 一つの態様において、任意のピースのセラミック材は、如何なるこのような孔も、すなわちコンジットも備えていない密実な平たい材料として提供されることができ、あるいは、例えば成形または整形時に、1個または複数の孔すなわちコンジットが予め形成されたセラミック材(図5)として提供されるてもよい。上記孔すなわちコンジットは、このセラミック材が固定される金属部品20に固着されるアンカー材の少なくとも一部に対し、少なくとも一部のコンジットの位置が一致するような所定の位置に配置されることができる。もしセラミック材がコンジットを備えていないか、あるいは金属部品にしっかりと固着されるコンジットの数が不十分な場合には、例えば、セラミック材の第1面から第2面まで延びる孔を開けることによって、一つまたは複数のコンジットを作製することができる。] 図5
[0033] セラミック材における1個または複数のコンジットのサイズおよび輪郭は、他の複数のコンジットの何れかと同じであってもあるいは異なっていてもよい。一つの態様においては、セラミック材における複数のコンジットの全てが同一またはほぼ同一のサイズであり、かつ同一またはほぼ同一の側壁輪郭を有する。別の態様においては、2個以上のコンジットが異なるサイズおよび/または異なる側壁輪郭を有する。種々の態様において、何れか一つまたは複数のコンジットの直径が、約0.75インチ(19.1mm)から約1インチ(25.4mm)まで、例えば0.75,0.8,0.85,0.9,0.95または1インチ(19.1,20.3,21.6,22.9,24.1または25.4mm)である。別の態様においては、何れか一つまたは複数のコンジットの直径が、約0.75インチ(19.1mm)未満または約1インチ(25.4mm)を超えるが、本発明は、特定の直径に限定されるものではない。]
[0034] 何れか一つまたは複数のコンジットの側壁の輪郭は、上記セラミック材が上記金属部品およびそれに固着されたアンカー材に対して上記セラミック材が位置合わせされた場合に、上記コンジットの少なくとも一部に施された結合剤が、上記アンカー材の少なくとも一部を通り抜けておよび/または周りに流れることができ、かつ結合剤が硬化および/または固化されたときには上記セラミック材を上記金属部品に固定する機械的結合を提供するのに適した構成とすることができる。種々の態様において、何れか一つまたは複数のコンジットの側壁の輪郭が直線的である。別の態様においては、上記コンジットの側壁の輪郭が面取りされている。他の態様においては、上記コンジットの側壁の輪郭がダンベル型である。]
[0035] さらに別の態様においては、何れか一つまたは複数のコンジットの側壁の輪郭は、図4に示されているように、第1面および/または第2面における断面積が、上記コンジットの他の点における断面積よりも大きくなるように段付きになっている。一つの具体的な態様においては、第1面および第2面における断面積が、上記コンジットの中間部におけるよりも大きい。このような側壁輪郭は、例えば第1面および/または第2面に、上記コンジットと同心的でかつこのコンジットよりも大径の座ぐり穴54をドリルで形成することにより形成することができる。] 図4
[0036] 何れか一つまたは複数のコンジットの側壁の輪郭は、結合剤が一旦硬化および/または焼成されると、結合剤からなるリベット型の部材を形成するように構成されていることが好ましい。このような組み合った連結により、上記金属部品とセラミック材との間に、より緊密な嵌合が構成される結果となる。]
[0037] 金属部品
本発明の上記金属部品20は、セラミック材に機械的に結合するのに適してさえいれば如何なる部品であってもよい。ここで説明されている態様はガラス形成および/または配送システムに関するものであるが、本発明は、セラミック材に金属部品が機械的に結合されることができる何れの用途にも有用であり得、かつ本発明はガラス形成および/または配送システムに限定されるものではない。一つの態様において、上記金属部品は、一般的なガラス形成システムにおけるような高温に曝されると変形し得る金属部品である。一つの態様において、上記金属部品は、ガラス形成システムの一部分である。一つの具体的な態様において、上記金属部品は、ガラス配送パイプの金属部分である。別の態様において、上記金属部品は、ガラス形成および/または配送システムの一部分に組み付けることができるシート等の部品である。金属部品の具体的な寸法および/または幾何学的形状は、意図される用途に応じて変わり得る。一つの態様において、金属部品は、厚さが約0.010インチ(0.25mm)から約0.125インチ(3.18mm)まで、例えば、厚さ約0.01,0.015,0.02,0.025,0.03,0.035,0.04,0.05,0.06,0.08,0.09,0.1または0.125インチ(0.25,0.38,0.51,0.64,0.76,0.89,1.02,1.27,1.52,2.03,2.29,2.54または3.18mm)である。別の態様においては、金属部品が約0.04インチ(1.02mm)の厚さを有し得る。別の態様においては、金属部品が約0.010インチ(0.25mm)よりも薄く、または約0.125インチ(3.18mm)よりも厚くてもよいが、本発明は特定の厚さに限定されるものではない。1個または複数」の金属部品の厚さは変えることができ、かつ個々の金属部品の何れの厚さも、金属部品の種々の部位において変えることができることを理解すべきである。]
[0038] 上記金属部品の特定の形態は、例えばチューブまたはシート等の意図される用途に適した何れの形態でもよい。一つの具体的な態様において、上記金属部品は、ここで説明されているように、金属シートから形成されたチューブである。このようなチューブは、金属シートの両エッジをシーム溶接してチューブにすることによって用意することができる。このチューブの断面の具体的な幾何学的形状は変えることができ、本発明は、何れかの特定の幾何学的形状に限定されるものではない。一つの態様において、上記チューブは可撓性を有し、そこを通過する1種類または複数種類の流体の体積が変わるのにつれて動くおよび/または変形することができる。]
[0039] 本発明の金属部品は、例えばガラス形成システム等の意図される用途に適した何れの金属であってもよい。種々の態様において、上記金属部品は、少なくとも一種類の貴金属および/または貴金属合金、少なくとも1種類の白金族金属および/または白金族金属合金またはそれらの組合せを含み得る。一つの態様において、上記金属部品は、金、銀、タンタル、白金、パラジウム、またはロジウム等の貴金属を含む。別の態様において、上記金属部品は、ルテニウム、ロジウム、白金、パラジウム、オスミウム、またはイリジウム等の白金族金属を含む。別の態様において、上記金属部品は、例えばタングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、レニウム等の少なくとも一種類の耐熱性金属およびそれらの合金を含み得る。種々の具体的な態様において、上記貴金属は白金および/または90/10重量%または90/20重量%白金/ロジウム合金等の白金/ロジウム合金を含む。金属部品および金属部品を作製するための材料は市販されており、当業者であれば適当な金属部品を容易に選択することが可能であろう。]
[0040] アンカー材
本発明のアンカー材は、上記金属部品の少なくとも一部分に固着されることが可能であり、かつ結合剤の少なくとも一部分と機械的結合を形成することができる表面を提供することができる。本発明のアンカー材は、金属とセラミックが結合される用途に適し、かつ金属部品に固着可能な何れかの材料とすることができる。このアンカー材は、金属部品に固着可能でかつそれに固着される結合剤との機械的結合が可能であれば、如何なる幾何学的形状を有するものあってもよい。一つの態様において、このアンカー材は、結合剤60の少なくとも一部に埋め込まれ、および/または結合される。このアンカー材は、例えば金網34、複数の金属粒子、シート金属構造またそれらの組合せを含み得る。]
[0041] 一つの態様において、上記アンカー材は、金網等の網である。金網であるアンカー材は、結合剤がそこを通って流動することができる多数の網目を備えている。一つの態様において、上記結合剤は、上記多数の網目の少なくとも一部を塞ぎかつ固化して、上記金属部品と固化された結合剤との間に機械的結合を形成することができる。金網であるアンカー材は、上記金属部品に固着して、結合剤の少なくとも一部によって塞がれることができるものであれば、如何なる金網でもよい。種々の態様において、上記金網は、例えば約3メッシュから約80メッシュまで、例えば3,4,5,8,10,12,14,18,20,22,24,28,30,36,40,44,48,50,52,56,58,60,62,64,68,70,72,74,76,78または80メッシュ、約10メッシュから約40メッシュまで、例えば10,12,14,18,20,22,24,28,30,32,34,36,38または40メッシュ、または約10メッシュから約25メッシュ、例えば10,12,14,18,20,22,24または25メッシュのメッシュサイズを有することができる。ここで用いられている「メッシュサイズ」とは、材料の直線の1インチ(25.4mm)当たりの網目数を意味する。一つの態様において、上記金網は20メッシュのスクリーンである。別の態様においては、上記金網は10メッシュのスクリーンである。種々の態様においては、上記金網が3メッシ未満または80メッシュを超えるが、本発明は、上記金網が、結合剤の流通および/または少なくとも一部の網目の充填、固化、および機械的結合を許容するものでありさえすれば、特定のメッシュサイズに限定されるものではない。一つの態様において、上記アンカー材は、結合剤の少なくとも一部分内に埋め込まれるか、ほぼ埋め込まれるかすることが可能である。]
[0042] 種々の態様において、金網は例えば約0.003インチ(0.076mm)から約0.06インチ(1.52mm)までの、例えば約0.003,0.006,0.009,0.012,0.015,0.018,0.020,0.025,0.030,0.036,0.040,0.044,0.050,0.058,または0.060インチ(0.076,0.152,0.229,0.304,0.381,0.457,0.508,0.635,0.762,0.914,1.02,1.12,1.27,1.47または1.52mm)、または約0.005インチ(0.127mm)から約0.020インチ(0.508mm)まで、例えば0.005,0.008,0.010,0.012,0.018または0.020インチ(0.127,0.203,0.254,0.304,0.457または0.508mm)の呼び径を有するワイヤを備えることができる。一つの態様において、上記金網は、0.008インチ(0.203mm)の呼び径を有するワイヤで構成されている。別の態様においては、上記金網が0.010インチ(0.254mm)の呼び径を有するワイヤで構成されている。種々の態様において、上記金網は、0.003インチ(0.076mm)未満または0.020インチ(0.508mm)を超える呼び径を有するワイヤを備えているが、本発明はワイヤの特定の直径に限定されるものではない。金網は、例えば織られたもの、編まれたもの、またはその他の物理的形態を有することができるが、本発明は、特定の形態の金網に限定されるものではない。一つの態様において、上記金網は織られたものである。例えば金網のサイズは、上記金網が、結合剤の流通および/または金網の網目の少なくとも一部の充填、固化、および機械的結合を許容するものでありさえすれば、所望の物品のサイズおよび寸法、ならびに結合剤の特性(例えば流動特性)に応じて変えることができる。一つの態様において、金網は、それに施された結合剤の少なくとも一部に結合しまたは埋め込むことができる。別の態様においては、上記結合剤の少なくとも一部が上記金網の網目を通って流れおよび/または網目の少なくとも一部を塞ぐことができる程十分に低い粘度を有する結合剤が施される場合には、小さいメッシュサイズを有する金網が用いられる。別の態様において、より粘度の高い結合剤が施される場合には、大きなメッシュサイズを有する金網が用いられる。金網のメッシュサイズおよびワイヤの直径は、例えば動作状態における特定の応力に耐えるように選択される。]
[0043] 本発明のアンカー材は、金属部品に固着可能な金属粒子で構成することができる。このアンカー材は、金属部品の一表面の少なくとも一部上に分散された複数の金属粒子で構成することができる。もしアンカー材を金属粒子で構成する場合には、アンカー材の金属粒子は、規則的、不規則的および/または変化する形状を有することができる。金属粒子が特定の形状を有したり、あるいは全ての金属粒子が同一形状を有したりすることは必ずしも必要ではない。金属粒子が存在する場合、複数の金属粒子の少なくとも一部が、それに施される結合剤に機械的に結合し得る形状を有することが好ましい。一つの態様において、複数の金属粒子は、結合剤が複数の金属粒子の少なくとも一部の周囲に流れかつ固化し、機械的結合を形成することができるように、固着されかつ配置される。別の態様において、複数の金属粒子は、それに施される結合剤と結合しまたは隙間を塞ぐことができる。種々の態様において、アンカー材を金属粒子は、例えば約0.003インチ(0.076mm)から約0.06インチ(0.152mm)までの、例えば、約0.003,0.006,0.009,0.012,0.015,0.018,0.020,0.025,0.030,0.036,0.040,0.044,0.050,0.058,または0.060インチ(0.076,0.152,0.229,0.304,0.381,0.457,0.508,0.635,0.762,0.914,1.02,1.12,1.27,1.47または1.52mm)、または約0.008インチ(0.203mm)から0.020インチ(0.508mm)までの、例えば、約0.008,0.012,0.014,0.016,0.018または0.020インチ(0.203,0.304,0.384,0.406,0.457または0.508mm)の直径を有する。一つの態様において、上記金属粒子は約0.016インチ(0.406mm)の直径を有する。別の態様において、上記金属粒子は約0.020インチ(0.508mm)の直径を有する。種々の態様において、上記金属粒子は約0.003インチ(0.076mm)よりも小さい、または0.020インチ(0.508mm)よりも大きい直径を有する。ここで用いられている「直径」とは、例えば金属粒子の直径の中央値を意味する。金属粒子のサイズおよび形状は変化し、かつ一般に分布特性であることを理解すべきである。例えば粒子サイズの分布において、分布範囲の両端点は、上述の範囲の上または下となり得る。したがって、一つの態様において、上記金属粒子は約0.020インチ(0.508mm)の直径中央値と、約0.015インチ(0.381mm)から約0.025インチ(0.635mm)までの範囲を有し得る。]
[0044] 本発明のアンカー材は、金属板構造で構成することができる。金属板構造は、金属部品に固着することができ、かつ結合剤を受け入れかつ結合剤と結合することができる例えば波形の金属片または成形片で構成することができる。一つの態様において、金属板構造は、その少なくとも一部分を結合剤が流れ通り、周りに流れ、および/または表面を流れ、かつ固化し、機械的結合部を形成することができるように構成されかつ配置される。]
[0045] 本発明のアンカー材は、例えばガラス形成システム等の意図された用途に用いるのに適してさえいれば、如何なる金属で構成してもよい。種々の態様において、上記アンカー材は、少なくとも一種類の貴金属および/または貴金属合金、少なくとも一種類の白金族金属および/または白金族金属合金、少なくとも一種類の耐熱性金属および/または耐熱性金属合金、またはそれらの組合せで構成することができる。一つの態様において、上記アンカー材は、金、銀、タンタル、白金、パラジウムまたはロジウム等の貴金属で構成することができる。別の態様において、上記アンカー材は、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタルまたはレニウム等の耐熱性金属で構成することができる。種々の態様において、上記アンカー材は、白金および/または白金/ロジウム合金で構成することができる。一つの具体的な態様において、上記アンカー材は白金である。別の具体的な態様において、上記アンカー材は白金/ロジウム(80/20)合金である。さらに別の態様において、上記アンカー材は白金/ロジウム(90/10)合金である。]
[0046] 上記アンカー材は、単一金属または多様な金属とすることができる。さらに、もし上記アンカー材が、例えば、複数の金属粒子、一つまたは複数ピースの金網、またはそれらの組合せ等の多様な単一金属で構成されている場合には、各単一金属は、同一組成または種々の組成で構成することができる。一つまたは複数ピースの例えば金網等のアンカー材のサイズおよび/または形状は変えることができ、かつ別のピースのアンカー材と同一であっても、異なっていてもよい。種々の態様において、アンカー材は、正方形の、ディスク状の、または帯状の金網とすることができるが、本発明は、如何なる特定のサイズおよび/または形状に限定される意図はない。アンカー材が上記金属部品に固着されることが可能であるならば、特定のアンカー材の組成は、上記金属部品の組成と同じであっても、異なっていてもよい。一つの具体的な態様において、上記アンカー材は、20メッシュのスクリーンサイズと、呼び径が約0.008インチ(0.203mm)のワイヤとを有し、かつ白金/ロジウム(90/10)合金からなる。例えば白金製金網および白金粒子等のアンカー材は市販されており(例えば、米国マサチューセッツ州ウォードヒル所在のAlfaAesar社)、当業者であれば、適当なアンカー材を容易に選択できるであろう。]
[0047] アンカー材の固着
一つの態様において、本発明の金属部品は、上述のように、その少なくとも一方の表面に固着された一つまたは複数のアンカー材を備えている。別の態様においては、上記金属部品がアンカー材を備えていないか、不十分なアンカー材しか備えておらず、その場合には、一つまたは複数のアンカー材が後に固着される。]
[0048] 本発明のアンカー材は、金属部品の一表面の少なくとも一部分に固着することができる。このアンカー材は、結合剤の少なくとも一部分と機械的結合部を形成するのに十分な量および位置に存在することのみを必要とするのであるから、アンカー材が金属部品を完全に覆うことは必要としない。一つの態様において、上記アンカー材は、このアンカー材が連続した層においては存在しないように、不連続状態で金属部品の少なくとも一部分に固着される。]
[0049] 例えば白金シート等の金属部品は、固着に先立って油およびその他の表面汚染物および不純物を取り除くために、随意的に清浄化される。このような清浄化工程は、例えば通常の洗剤、表面活性剤および/または溶剤を用いて行なわれる。]
[0050] 金属部品の表面は、固着に先立って、例えば化学的および/または機械的方法を用いて随意的に粗面化される。一つの態様において、アンカー材が固着される金属部品の表面は、サンドブラストおよび/またはビードブラストによって粗面化されることができる。別の態様において、アンカー材が固着される金属部品の表面は、化学的エッチング法によって粗面化されることができる。固着に先立つ清浄化または粗面化工程の実施は必ずしも必要ではない。]
[0051] 本発明のアンカー材は、上記金属部品の一表面の少なくとも一部分に配置される。一つの態様において、上記アンカー材は、上記金属部品の一表面の少なくとも一部分上の複数の離散した位置に位置決めされる。例えば、金網からなるアンカー材は、上記金属部品の一表面上に位置決めされた単一ピースの金網、複数ピースの金網とすることができる。一つの態様において、金属部品の一表面上に固着された単一または複数ピースの金網は、上記金属部品が固着されるセラミック材の1個または複数のコンジットに対応する所定の位置に位置決めされる。一つの態様において、1個のアンカー材は、このアンカー材が1個のコンジットの開口端の少なくとも一部分上に重なり合う位置関係を有するように位置決めされる。別の態様において、1個のアンカー材は、このアンカー材と、それに固着されるセラミック材内の1個のコンジットの開口端とが、完全に重なり合う位置関係を有するように位置決めされる。]
[0052] 一つの態様において、1個の金網は、金属部品のサイズおよび形状と同一および/または適合するサイズおよび形状に切断される。別の態様においては、1個の金網が金属部品よりも小さくされる。金属粒子からなるアンカー材は、ランダムなパターンで、または一様な態様で、金属部品の一表面上に分布される。一つの態様において、金属粒子からなるアンカー材は、結合剤が施される金属部品の表面の一部分に亘って一様に分布される。別の態様においては、金属粒子からなるアンカー材が、特に高応力領域における固着性を、したがって結合された物品の強度を向上させるための所定のパターンで分布されることができる。]
[0053] 金属部品の一部分にアンカー材を接触させた後、このアンカー材は、何れかの適当な技法を用いて固着される。種々の態様において、このアンカー材は、例えば、アーク溶接、抵抗溶接、融接、スポット溶接、シーム溶接、電子ビーム溶接、超音波溶接、レーザー溶接またはこれらの組合せ等の一種以上の溶接技法を用いて固着されることができる。一つの具体的な態様において、組立て時におけるアンカー材の移動を防止するために、アンカー材の少なくとも一部分が、1箇所または複数箇所において金属部品にスポット溶接される。一つの態様において、アンカー材の少なくとも一部分を金属部品に融着するのに十分な時間および温度において金属部品およびアンカー材を加熱することによって、アンカー材が金属部品に固着されることができる。セラミック材の結合を可能にするのに十分な量のアンカー材が融着しさえすれば、アンカー材を完全に融着することは必ずしも必要ではない。種々の態様において、接触せしめられたアンカー材および金属部品は、少なくとも約1300℃の温度において、例えば、1300,1400,1500,1600,1650,1700℃またはそれ以上の温度において、少なくとも約0.25時間、例えば、0.25,0.5,0.75,1,2,4,6,8,10,12,16または24時間等のアンカー材の少なくとも一部分を金属部品の少なくとも一部分に固着するのに十分な期間加熱される。具体的な加熱時間および温度は変えることができる。もし温度が、アンカー材の少なくとも一部分を金属部品の少なくとも一部分に固着するのに十分な程高ければ、例えば約20分等の短い加熱時間を採用することができる。一つの態様において、接触せしめられたアンカー材および金属部品は、約1650℃において約2時間加熱される。別の態様においては、接触せしめられたアンカー材および金属部品が、約1700℃において約20分間加熱される。もし高められた温度が材料および/またはそれらの融着ならびに結合剤との結合能力に悪影響を及ぼさないとすれば、アンカー材および金属部品は、より高い温度および/またはより長い時間において加熱されることが可能である。もし上記アンカー材の少なくとも一部分が上記金属部品の少なくとも一部分に融着することができるとすれば、アンカー材および金属部品は、より低い温度および/またはより短い時間加熱されることができる。]
[0054] 加熱の間に、例えば圧縮力等の圧力を随意的に上記アンカー材および上記金属部品に印加して、固着工程を向上および/または加速させることができる。印加される圧力は、具体的な材料および加熱条件に応じて変えることができる。一つの態様において、加熱の間に少なくとも約1psi (6.9kPa)の圧力が、アンカー材および金属部品に印加される。別の態様においては、加熱の間に少なくとも約10psi (69kPa)の圧力が、アンカー材および金属部品に印加される。]
[0055] もし材料同士を固着するために他の技法を用いても、金属部品が曝される温度において安定であるならば、例えば溶接および/または接着等の、他の技法も用いることができる。アンカー材を金属部品に固着するために、一種類以上の技法を用いることができる。金属融着および溶接技法はこの分野で知られており、当業者であれば、アンカー材を金属部品に固着するのに適した技法および条件を容易に選択することができるであろう。]
[0056] もし金属部品が、当初から意図される用途に適した形態または形状において提供されない場合には、固着工程に先立って、または同時に、また以後に、随意的にこのような所望の形状に形成されることが可能である。一つの態様において、1枚の白金シートが提供され、このシートは上記固着工程に先立ってパイプに形成される。]
[0057] 結合剤
本発明の結合剤は、アンカー材とセラミック材との間に機械的な、および/または組み合った結合部を形成することができるものであれば、如何なる適当な結合剤を用いてもよい。このような結合剤は、乾燥され、焼成され、および/または硬化された場合に、最終的には結合剤の一部分が上記アンカー材の少なくとも一部分内に埋め込まれ、またはほぼ埋め込まれるように、金網または金属粒子等のアンカー材を通過して、および/またはアンカー材の周りに流れる。]
[0058] 一つの態様において、上記結合剤は、例えばZrO2,SiO2,CaO,MgO,Al2O3,他の耐熱性酸化物、および/またはそれらの混合物である。ここで用いられている「結合剤」とは、例えばセラミック成分のスラリーまたは混合物等の固化されていない材料を意味し、または、上記セラミック材内のコンジットの少なくとも一部分を充たし、かつアンカー材の少なくとも一部分内に埋め込まれ、またはほぼ埋め込まれる、乾燥され、焼成され、および/または硬化された材料を意味する。別の態様においては、上記結合剤が、上記セラミック材と同一の、またはほぼ同一の組成を有する。]
[0059] 上記結合剤は、組成、粒径および相が変化している単一のまたは複数の結合剤を含む。またこの結合剤は、添加物および/または焼成助剤を含む。一つの態様において、この結合剤は、例えば結合剤の粘性等の流動特性を制御および/または調整する少なくとも一種類の添加物を含むことができる。別の態様においては、上記結合剤が通常のガラス形成および/または配送システムと相性が良い。種々の態様において、上記結合は例えば、約1400,1450,1500,1550,1600,1650または1700℃またはそれを超える温度までのガラス形成および/または配送システムにおける一般的温度に耐えることができる。結合剤は市販されており、当業者であれば、特定の物品および/または用途に用いるための適当な結合剤を容易に選択することができるであろう。]
[0060] 結合剤の注入
1個または複数ピースのセラミック材と金属部品との組付けに先立って、上記1個または複数ピースのセラミック材は、随意的にペーストセメント、キャスタブルセラミック、ガラスフリット材料等のシール剤のうちの少なくとも一つでシールされる。このようなシール工程は、もし実行されると、材料内への酸素の拡散を阻止することによって、セラミック材の動作寿命を改善することができる。図2および図3に示されているように、少なくとも一つのコンジットがアンカー材の少なくとも一部分と重なり合う位置関係をもって、1個または複数ピースのセラミック材を金属部品に組み付けた後、上記セラミック材の少なくとも一つのコンジットの少なくとも一部分内へ、本発明の結合剤が適当な技法を用いて注入される。一つの態様において、上記結合剤の少なくとも一部分が上記コンジットの対向する端部に配置されているアンカー材の少なくとも一部分を通過し、周囲に流れ、および/または表面上を流れるように、上記セラミック材の外表面から上記結合剤が注入される。上記金属部品上に位置決めされた上記アンカー材の少なくとも一部分と所望の組合い結合を提供するのに十分な量の結合剤が上記コンジット内に残存するならば、例えばセラミック材と金属部品との組付けに先立って、上記結合剤を流動性等の物理的特性に応じて複数回施すこともできる。] 図2 図3
[0061] 上記セラミック材内の複数本のコンジットに対する結合剤の注入は、同時に、または順次に行なうことができる。全てのコンジットが結合剤で充たされることも、全てのコンジット内に結合剤が同時に施されることも必ずしも必要ではない。このような構成は、組付けにおいて従来の方法よりも高い融通性を提供することができる。]
[0062] 一つの態様において、例えばジルコニア等の鋳込み可能な結合剤は、バインダと混合され、次いで一つまたは複数本のコンジット内へ練り込まれる。この結合剤の粘度は、結合剤の少なくとも一部分が、金属部品に固着されている金網のアンカー材の網目内に流入しかつその網目を塞ぐようなものでなければならない。一つの好ましい態様において、結合剤は、アンカー材の少なくとも一部分を通過しかつその周りに流れ、結合剤からなるリベット形状の栓が形成されるのに十分な量が施される。]
[0063] 施された結合剤の、上記コンジットおよび上記セラミック材の外表面を越えて延出する何れの部分も、上記セラミック材の外表面がほぼ平らになるように、例えば洗浄、削り取り、および/または研削によって取り除くことができる。]
[0064] 別の態様において、上記結合剤は、固着されているアンカー材の少なくとも一部分が、結合剤の少なくとも一部分内に埋め込まれ、またはほぼ埋め込まれるように施される。上記ラミック材料の一部分を金属部品の少なくとも一部分に機械的に結合するのに必要な程度に1個または複数のアンカー材が埋め込まれているならば、このアンカー材が必ずしも完全に結合剤中に埋め込まれている必要はない。一つの態様において、少なくとも1個のアンカー材が完全に結合剤中に埋め込まれている。別の態様においては、金網であるアンカー材が、結合剤と組み合うように結合剤中にほぼ埋め込まれている。別の態様においては、金網であるアンカー材の少なくとも一つの網目が結合剤で塞がれている。さらに別の態様においては、複数の金属粒子の少なくとも一部が結合剤の少なくとも一部分によって少なくとも部分的に囲まれている。]
[0065] 結合剤の流動特性は、結合剤の少なくとも一部分が、上記アンカー材の少なくとも一部分を通過して流れ、周りに流れ、および/または表面上を流れるように、添加物によって制御され、および/または調整されることができる。このような態様で施された結合剤は、アンカー材/金属部品連結体と結合剤との間に機械的結合が形成されるように固化または硬化される。]
[0066] 施された後、結合剤は固化される。一つの態様において、このような固化は、結合剤を乾燥させ、硬化し、およびさらなる工程を付加することなく硬化することを含む。別の態様においては、固化が、施された結合剤を加熱し、および/または焼成することを含む。一つの態様において、施された結合剤は、意図される用途に対して十分な素地強度を備えることができる。一つの態様において、鋳込まれた結合剤は、焼成に先立って、約10時間から約48時間までの期間乾かされる。]
[0067] 本発明の原理を更に説明するために、完全な開示内容ならびに請求項に記載された方法、物品および装置が如何に作製されかつ評価されるかの説明を当業者に提供するための下記の実施例を提案する。これらの実施例は、本発明の単なる例示であって、発明者等が彼等の発明の範囲を限定しようとするものではない。数字(例えば、量、温度等)に関しては正確性を保証する努力がなされたが、若干の誤差および偏差は計上されるべきである。指示がない限り、温度は℃または室温であり、圧力は大気圧またはその近傍である。製品品質および性能を最適化するために用いられる工程条件には多くの変化および組合せがある。妥当かつ日常的な実験のみが、このような工程条件を最適化するのに必要とされる。]
[0068] 実施例1.白金板への白金金網の固着(予測)
第1の実施例において、0.008インチ(0.203mm)の呼び径を有するワイヤからなる約10ピースの白金/ロジウム(90/10重量%)合金製20メッシュ金網が白金板へ固着されるようにしてもよい。上記約10ピースの金網は約1インチ×1インチ(25.4mm×25.4mm)の正方形に切断され、かつ上記白金板の上面上の離間した部位に位置決めされるようにしてもよい。これらの金網は、白金板にスポット溶接されてもよい。]
実施例

[0069] 実施例2.セラミック板の固着(予測)
第2の実施例においては、第1の実施例におけるアンカー材のピースとほぼ同一のパターンで孔が配列されている約10個の孔を備えたアルミナ板が提供されるようにしてもよい。各孔は、約0.75インチ(19.1mm)の直径を有し、かつ上記アルミナ板の両面上に、より大径の皿部分を備えているようにしてもよい。このアルミナ板は、アルミナ板の各孔の少なくとも一部分が、白金板に固着されている金網に重なり合う態様で、白金板の近傍に配置されるようにしてもよい。次に、上記金網の網目を通過して流れることが可能な粘度を有する鋳込み可能なアルミナが用意されてもよい。次に、上記アルミナ板内の各孔が上記鋳込み可能なアルミナで充たされようにしてもよい。次にこの鋳込み可能なアルミナが乾かされるようにしてもよい。]
[0070] 20金属部品
34金網(アンカー材)
50セラミック材
52コンジット
54座ぐり穴
60 結合剤]
权利要求:

請求項1
金属部品をセラミック材に機械的に結合する方法であって、a.前記金属部品の一表面の少なくとも第1部分に固着されたアンカー材を備えた金属部品を提供し、b.第1表面および第2表面を有するセラミック材を提供し、この場合、該セラミック材は、前記第1表面から前記第2表面まで延びる少なくとも一つのコンジットを画成し、該少なくとも一つのコンジットは、前記第1表面によって画成された第1開口端と、前記第2表面によって画成された第2開口端と、連続する側壁と、断面積とを有しており、c.前記少なくとも一つのコンジットの前記第1および/または第2開口端の少なくとも一方における少なくとも一部分が、前記アンカー材の少なくとも一部分上に重なり合う位置関係を有するように、前記セラミック材を位置決めし、かつd.前記少なくとも一つのコンジットの少なくとも一部分内へ結合剤を施す、ことを含むことを特徴とする、金属部品をセラミック材に機械的に結合する方法。
請求項2
前記金属部品が、複数のアンカー材を備えていることを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項3
前記セラミック材が複数のコンジットを備え、各コンジットは、前記第1表面によって画成された第1開口端と、前記第2表面によって画成された第2開口端と、コンジット側壁と、断面積とを有することを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項4
前記アンカー材の固着が、a.前記金属部品の一表面の少なくとも一部分に前記アンカー材を接触させ、次いでb.前記アンカー材の少なくとも一部分が前記金属部品に融着するのに十分な時間と温度において、前記接触せしめられた金属部品およびアンカー材を加熱することを特徴とする請求項1記載の方法。
請求項5
a.金属部品と、b.該金属部品の少なくとも一部分に固着されたアンカー材と、c.第1表面および第2表面を有するセラミック材とを備えた物品であって、この場合、前記第1表面および第2表面は、前記第1表面から前記第2表面まで延びる少なくとも一つのコンジットを画成し、該少なくとも一つのコンジットは、連続する側壁および断面積を有し、前記セラミック材は、前記金属部品の外表面の少なくとも一部分上に配置され、かつ前記前記アンカー材の少なくとも一部分上に重なり合う位置関係を有しており、前記少なくとも一つのコンジットの少なくとも一部分に結合剤を備え、かつ前記アンカー材の少なくとも一部分が前記結合剤の少なくとも一部分内にほぼ埋め込まれていることを特徴とする物品。
类似技术:
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